都会への進学を望んでいるパレスチナのとある村に住む少女が、イスラエルによる民族浄化”ナクバ”に巻き込まれていく様を描いたヒューマンドラマ。メガホンをとったのはこれまでの5本の短編で複数の映画賞を獲得し、本作が長編監督デビューとなったヨルダン出身のダリン・J・サラムで、この映画もトロント国際映画祭でプレミア上映されている。主役の少女は、演技未経験のカラム・ターヘルが1年半にも及ぶオーディションの末に選ばれた。

■見どころ
①監督の母親が聞いたという難民女性の実体験が話の基になっており、非常にリアリティを感じる。
②少女の目を通して”ナクバ”がどのようなものだったかを知れる点で、歴史的な価値もある。
③政治的な意味合いを持ないよう、国の名前は出ず、あくまで「敵」となっている点も興味深い。

カラム・タヘル

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