大学在籍中に制作した「夢見るペトロ」で、田辺・弁慶映画祭の審査員特別賞と俳優賞を受賞した田中さくら監督の短編作品。就職のために実家を出た主人公が、新しい家で不思議な着ぐるみと出くわすという物語が描かれる。「田辺・弁慶映画祭セレクション2023」で「夢見るペトロ」と一緒に上映された作品で、2024年3月には「夢見るペトロ」ともう一つの作品と合わせて「薄暮の旅路」というタイトルで単独で公開された。

■見どころ
①過去と現在、現実と幻想が交錯する中で、主人公がどうなっていくのか最後まで目が離せない。
②「大切に想うものは、どんな形となっても振り返ればそこにいる」。大切なことに気付かせてくれる作品。
③主人公の心の旅路を通して、田中監督が大切にするテーマやメッセージが伝わってくる。

田中さくら監督が同志社大学の学生だった時に手掛けた短編映画。若手監督の登竜門と言われる映画祭・第16回田辺・弁慶映画祭で審査員特別賞と俳優賞を獲得した。兄の結婚を受け入れられずに過去や空想の世界に逃げ込みながらも、少しずつ前向きになっていく1人の少女の心情が丁寧に描かれている。2024年3月には田中監督の新作短編「いつもうしろに」と一緒に「薄暮の旅路」というタイトルで単独で劇場公開された。

■見どころ
①現実と空想が入り混じる世界にたたずむ主人公に、そっと寄り添いたくなるような作品。
②兄への複雑な感情に揺れ動く少女の心理を見事に表現し、俳優賞を受賞した前田紗葉の演技力に唸らされる。
③淡い色合いの映像の中で、物語を見ているというよりは映像作品を見ているかのような不思議な感覚になる。

田中さくら

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