新宿ホスト殺人未遂事件にインスパイアを受けて作られた映画作品。ホストを刺し殺そうとして逮捕された沙苗を主人公とし、平穏な日常から運命の歯車がくり始める様子を描いている。監督は本作が商業映画デビュー作となる山本英が担当。沙苗役には実力派女優の橋本愛が抜擢され、仲野太賀や木竜麻生らが共演している。本作は第28回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門、第24回東京フィルメックス・コンペティション部門に出品された。

■見どころ
①沙苗と健太の前に現れた隣人の女・足立をきっかけに日常が崩れていく様子にゾクゾクが止まらない
②血まみれで謎の笑みを浮かべる沙苗の姿が映し出される衝撃的な序盤が印象的
③愛し方や愛を信じて突き進むことの尊さについて考えさせれ、胸に訴えかけてくるものがある作品

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元々劇作家・演出家であり、「わたし達はおとな」の映画監督デビューで邦画シーンの注目を集めた加藤拓也監督・脚本による「喪失感」をテーマにしたラブストーリー。若手実力派俳優である門脇麦、田村健太郎、黒木華、染谷将太で主要キャストを固めた豪華なラインナップになっている。義務的な会話しか話さない冷めきった夫婦関係も現代を象徴するモチーフになっており、幅広い世代に深く考えさせられるストーリー。

■見どころ
①人間の目をそむけたくなるような部分を繊細に表現した、門脇麦のクールな演技。
②いま画面上では誰の物語が進行しているのかが分かりやすいカメラワークでの演出。
③映画鑑賞後に誰に共感したかを人と話したくなるような、豊富なキャラクター構成。

『あの娘と自転車に乗って』『馬を放つ』などで知られる中央アジアの名匠アクタン・アリム・クバトが、母国キルギスのインターネットニュースで見つけた実話に着想を得て、出稼ぎ先のロシアで記憶と言葉を失い故郷へ帰ってきた父とその家族を描いたヒューマンドラマ。クバト監督が主人公ザールクを自ら演じた。第35回東京国際映画祭コンペティション部門、第96回アカデミー賞では国際長編映画賞のキルギス代表にされた。

■見どころ
①中央アジアの乾いた雄大な自然と独特な文化が異国情緒満載でとても興味がわく。
②複雑に入り乱れる人間関係に目が離せない。イスラムの思想に触れることができる。
③日本人に近い顔立ちだから、親しみを感じられる。実話をもとにしているのがリアル。

定井勇二

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