山梨県にある障碍福祉サービス事業所、みらいファーム。みらいファームではさまざまな障碍を持つ人たちが花を世話し、絵を描き、布を織っている。本作はみらいファームで思い思いに暮らす人々に密着したドキュメンタリー作品。監督を務めたのは、2021年にドキュメンタリー映画『東京自転車節』を撮影した青柳拓。『東京自転車節』に参加した大澤一生が構成・プロデューサーを務め、辻井潔が編集を担当した。

■見どころ
①みらいファームにいる人たちのバラバラな個性とルーティーン。忙しない社会では感じられない豊かさが魅力。
②極めて丁寧な取材姿勢が素晴らしい。登場人物たちの言葉や感情を真摯に受け止め、映像に残している。
③全てを肯定して受け止めてくれるような優しさに溢れた映像。幸福のおまじないは、フジヤマコットントン。

ある女性ストリートミュージシャンを追い掛けたドキュメンタリー。歌手になる夢をかなえようと佐賀県から渋谷の街へとやって来て路上で歌っていたものの、統合失調症を発症-して帰郷せざるを得なくなってしまった女性。彼女との出会いと思いがけない別れ、それから9年後の再会を見つめる。メガホンを取るのは、『1000年の山古志』などのドキ-ュメンタリー作品のスタッフとして活躍してきた島田隆一。一人の女性を追い掛けるうちに浮き上がってくる、現代社会における自分の居場所の在り方というテーマが胸に響く。