不条理な恐怖を描いたオムニバス形式のホラー作品。4つの短編から成る本作は、それぞれ4人の新鋭監督がメガホンをとり別々のテーマと主演で撮影された。4つの作品では、謎の呪いや不可思議な現象に巻き込まれる様子などの恐怖を描いている。オランダ・ロッテルダム国際映画祭の短編コンペティション部門やフランス・クレルモン＝フェラン国際短編映画祭の国際コンペティション部門に選出されるなど、世界各国の映画祭で功績を残した。

■見どころ
①パーティー会場で謎の狂気に襲われていく様子がとにかく不気味で、終始ゾワゾワする
②いきなり驚かされる演出が豊富で、最後までドキッとさせられる展開に心臓がもたない
③4作品どれも扱っている恐怖は違うが、得体の知れない不気味な雰囲気がさらに恐怖感を増している

第32回マルセイユ国際映画祭でグランプリなど3冠を獲得した『春原さんのうた』の杉田協士監督の長編4作目。短歌を原作とした作品を中心に送り出してきた杉田の、デビュー作『ひとつの歌』以来12年ぶりのオリジナル作品。子供の頃に声をかけた人物に大人になってから再会し優しく手を差し伸べる女性を描くヒューマンドラマ。主人公の春役には『スウィートビターキャンディ』の小川あんが、共演には眞島秀和と中村優子が名を連ねる。

■見どころ
①2021年に俳優としての活動を再開し、演技派俳優・満島ひかりを目指しているという小川あんの演技に注目。
②前作『春原さんのうた』でも感じられた、監督杉田の描き出す空気感をゆっくり楽しみたい。
③こだわりぬかれたカメラワークと、あえて横を短くした画面比によって映画の世界に没入できる。

幽霊について語ることに焦点を当てた、ユーモラスな4つの寓話で綴ったヒューマンドラマ。町を彷徨う小説家、父の幽霊を見たという妹、兄の幽霊になったという弟、就活生に語りかける盲目の旅人の物語が連なっていく。出演は『PLASTIC』の小川あん、『窓辺にて』の斉藤陽一郎、『サマーフィルムにのって』の祷キララ、舞台を中心に活動する伊東沙保。『ボディ・リメンバー』で監督デビューした俳優・山科圭太の監督第2作。

■見どころ
①軽やかな雰囲気が印象に残り、普通のホラーとは一味違う世界観がとても魅力的だ。
②現実の世界で話される幽霊の存在に最も近い表現に感じた。親近感のわく演出が秀逸。
③何度も観たくなる作品。良い意味で怖くないから誰にでもおすすめできる作品。

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モスクワ国際映画祭で2つの賞を受賞した『四月の永い夢』や、東京国際映画祭スプラッシュ部門にノミネートされた『愛の小さな歴史』『走れ、絶望に追いつかれない速さで』など、国内外でその鋭い感性を評価されている中川龍太郎監督が、変化の多い都会の中で自分の居場所を見つけ、現代を生きる若者の姿を丁寧に描いたドラマ。

『ひよっこ』やドラマ『この世界の片隅に』などの松本穂香が主人公を演じ、そのほか渡辺大知、徳永えり、吉村界人、忍成修吾、光石研、樫山文枝など、若手からベテランまで実力派たちが共演に名を連ねる。

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2019年のTAMA映画祭「ホットギミック ガールミーツボーイ」で最優秀新進監督賞を獲得した山戸結希の監督・企画・プロデュースによる、1話8分以内、15人の若手女性監督がそれぞれの作品を手掛けた短編オムニバス映画。各話は「自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーがゆらいだ瞬間が映っていること」を共通のテーマとして制作されている。出演陣も朝倉あき、伊藤沙莉、唐田えりか、橋本愛など、若手実力派が揃っている。

■見どころ
①テーマは同じなのに、切り口や映像の見せ方など監督の個性が全然違うのが面白い。
②参加監督の中には長編を撮っている方もいるので、お気に入りの監督を見つけるのも楽しい。
③1話が短くサクサク進んでいくので、色んなパターンの女性像を垣間見れるという企画性が興味深い。

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小川あん

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