「ケンとカズ」の小路監督が手掛けた8年振りの新作映画。ヤクザの世界で生計を立てる辰巳と家族を奪われ復讐心を燃やす少女葵の運命的な出会いが描かれている。辰巳を演じるのは「の方へ、流れる」や「ONODA 一万夜を越えて」で、その繊細ながらも力強い演技が評価された遠藤雄弥。葵を演じるのは「アイスと雨音」での鮮烈なデビュー以来、「タイトル、拒絶」や「わたし達はおとな」でその存在感を示してきた若手の森田想。

■見どころ
①深い悲しみと絶望を抱えながらも、生きる意味を見出そうとする辰巳というキャラクターに惹かれる。
②愛する人を失った少女・葵の復讐心と葛藤があまりにリアルで観る者の心に突き刺さる。
③伝統的な「ボーイ・ミーツ・ガール」が、ヤクザと復讐を誓う少女というユニークな設定で描かれており新鮮。

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本作は山崎貴が脚本、VFX、監督を務めた映画『ゴジラ－1.0』のモノクロ映像版である。『ゴジラ－1.0』は『ゴジラ』シリーズ37作目となる作品。戦後の荒廃した日本に追い討ちをかけるように現れた未知の脅威・ゴジラに対して、人々が立ち向かっていく様子を描く。山崎監督はモノクロ映像版を制作するにあたり、「モノクロ写真の名匠が撮ったような画質」を目指した。ただ映像をモノクロにしたのではなく、様々なマットを駆使している点に注目だ。

■見どころ
①制作チームがディテールにこだわりぬいたモノクロ版。まるでドキュメンタリーのような映像から目が離せない。
②モノクロだからこそゴジラがより恐ろしく感じられて、その迫力に圧倒される。
③まったく新しい映像体験ができるから、『ゴジラ－1.0』を観た人にもおすすめできる。

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終戦後もその事実を知らずに、フィリピンのルバング島で約30年もの間孤独な時間を過ごした小野田寛郎旧陸軍少尉を描いたフランス・ドイツ・ベルギー・イタリア・日本の国際共同製作によるノンフィクション映画。メガホンを取ったのはフランスのアルチュール・アラリ監督で、主役の小野田少尉を「トウキョウソナタ」や「模倣犯」で知られる津田寛治が演じた。第74回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品されている。

■見どころ
①複数の国で共同制作した事実がより意義深く、戦争の無意味さをより感じられるものにしている。
②島での生活が淡々と描かれることで、よりサバイバルのリアリティを感じることができる。
③津田寛治のあまり多くを語らない目の演技が素晴らしく、鋭い視線に様々な主張が宿っている。

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